エレベーターの保守業界って?

保守点検

エレベーターの保守業界は、大きく分けてメーカー系メンテナンス会社と独立系のメンテナンス会社という2種類があります。
メーカー系のメンテナンス会社は、三菱・日立・東芝・フジテック・OTISという大手5社の系列のメンテナンス会社の事をさします。
メーカー系のメンテナンス会社は、自社のメーカーのエレベーターしかメンテナンスを行いません。

独立系のメンテナンス会社というのは、メーカー系に属さない会社の事を指します。
独立系のメンテナンス会社の特徴としては、メーカー系メンテナンスとは逆に、基本的にはどこのメーカーのエレベーターでもメンテナンスを行います。
京都エレベータも独立系のメンテナンス業者に属するのですが、今回はそんな独立系のメンテナンス業者の歴史について話していきたいと思います。

エレベーターの保守業界って?

エレベーターの保守業界って?[三菱・日立・東芝などと独立系業者の違いについて]
独立系エレベーター保守業者の歴史【アニメーション】

エレベータ保守業界って?

今や、日本国内では80万台以上にも及ぶエレベーターやエスカレータが日々稼動していますが、その保守点検業務の市場では、三菱・日立・東芝・日本オーチス・フジテックの5大メーカーとその系列子会社のメンテナンス会社が市場の80%以上をしめています。メーカー系列に属さない独立系と称される保守業者のシェアーはわずか数%に満たない状態です。その大きな理由は、一般的にエレベーターの所有者であるビルのオーナーや賃貸マンションのオーナーまたは分譲マンションの管理組合などが保守業者を選定する場合に設置したメーカー以外に見積を依頼しても、他社の製品は保守できないという理由で対応してもらえない事があります。
その為に市場で競争原理が働かないのです。この状態を打破し競争原理が働く市場にすべく、1985年独立系業者が立ち上がったのです。
最近でこそ少なくなりましたが、独立系業者に保守を依頼しようとすると、設置した業者が独立系業者には「部品の供給をしない」とか「技術的に出来ない」等、顧客に不安感を抱かせ、独立系業者に依頼する事を躊躇させ、結果的にメーカーの提示する金額でしか保守契約を締結出来ない状況にありました。

部品の流通について

1985年にメーカーが部品を売らないのは「独占禁止法」違反であるとして我々日本エレベータメンテナンス協会(当時)と東京のエレベーター保守事業協同組合に所属する独立系保守業者が大同団結し、訴訟を提起しました。1993年7月に大阪高裁で勝訴するまで8年にわたり、メーカーと闘ってきました。結果、メーカーも部品を供給するようになりましたが、だいたい部品発注後3ヶ月の納期とずいぶんと高価格な部品代を要求されます。先日、この部品の売り渋り行為に対して業界トップのメーカー系メンテナンス会社に対して公正取引委員会が立ち入り調査に入り、結果メーカーに「勧告」を出しました。メーカーはこれを認め勧告に応諾しています。

独立系でも安心なのか?

メーカー系がすべて悪く、独立系がすべて良いのではありません。要はそれぞれの企業が自社のお客様をどれだけ大切に考えているか?という事につきると思います。その企業の経営理念なり、経営姿勢の問題であると考えます。時には、独立系でも安かろう悪かろうという評判を聞く会社もあります。選択される時は、その企業のすべてをご自身の眼でご覧になり、お選び頂きたいと思います。我々JEMA(エレベータメンテナンス事業協同組合)に所属している企業は、JEMAの崇高な理念
「会員相互の資質および技術の向上を目指し、顧客の信頼を得る企業作りを通して社会に貢献する事を目的とする」
この具現化の為に努力している企業の集まりですから、ご安心してお任せ下さい。


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