現在使用されているエレベーターが油圧式の場合、製造メーカーによって既存のエレベーターを全て取り除き、新しくエレベーターを設置する方針のメーカーもあります。
撤去・新設すると良い点もありますが、工期が長くなり、入居者に負担をかけたり費用負担が大きくなってしまうのが大きなデメリットとなってしまいます。
京都エレベータでは、そんな油圧式のエレベーターでもリニューアル工事を数多く施工させて頂いている経験から、その方法と実際に提案をさせて頂く内容をご説明させて頂きます。
油圧のエレベーターでもリニューアル工事が出来るのか?
油圧式のエレベーターのリニューアルで交換をする部品
油圧式のエレベーターをリニューアル工事するに当たり、最低限交換が必要な部分は、制御盤と油圧ユニット・かごと乗場の操作盤・各種配線の交換になります。
既存の制御盤は全て取り外し、新しい制御盤に入れ替えます。
制御が変わるので、全て配線も交換しますし、扉の制御や安全SW・センサーなども交換します。
またかご内と乗場の操作盤も交換をしますので、ご利用者からするとこの操作盤が見た目で変化のある部分となります。
油圧ユニットも古いものから新しいものへと交換をします。
撤去・新設のメリット・デメリット
・省エネ
・乗り心地UP
・最新の安全装置
・工期がかかる
・費用が高額
費用面や工期などが問題にならないのであれば、既存の油圧式のエレベーターを撤去して、最新のルームレスタイプのエレベーターを設置する事をおすすめ致します。
撤去してルームレスタイプのエレベーターを入れることで、省エネになりますし、乗り心地も良くなりますし、最新の基準の安全装置も設置されます。
しかし、リニューアル工事と比較すると費用ではかなり変わりますし、工事期間も変わってきます。
工事期間は、一般的なマンションなどに設置されているエレベーターの場合、撤去新設摺る場合は、1ヶ月ちょっとの工事期間が必要ですが、リニューアル工事の場合は、一週間程度ですみます。
特にリニューアル工事が必要な年代のマンションの場合、ご高齢の方も増えてきて、階段での上り下りが厳しいという方が必ずおられます。
工事の期間中はもちろんエレベーターのご利用は出来ませんので、もし建物にエレベーターが1台しか設置されていない場合は、撤去・新設という方法はあまり現実的ではないかも知れません。
リニューアル工事のメリット・デメリット
・撤去・新設と比べると工期が短い
・撤去・新設と比べると費用が安価
・プランジャーがそのまま残る
リニューアル工事のメリット・デメリットは、撤去・新設の工事と逆になります。
リニューアル工事の良い点は、工期が短く安価に工事が出来る点にあります。
新設工事の金額を聞いて、びっくりしたという方は、リニューアル工事でのご検討をおすすめ致します。
また、工期に関してはリニューアル工事の方が短く済むので、ご高齢の方や足の不自由な方がおられる場合や、エレベーターを停めるのが難しいテナントビルなどは、今の機能を維持するリニューアル工事をおすすめします。
デメリットとして一番大きいのは、プランジャーがそのまま残るという事です。油圧式のエレベーターというのは、大きな油圧ジャッキのような物が伸び縮みするのですが、そのプランジャーが交換する範囲には含まれていません。
昇降路内に設置されているのですが、サイズが大きくエレベーターを残したまま出し入れが出来ないので、工事後もそのまま利用します。
あとはデメリットでは無いのですが、油圧式から油圧式にリニューアル工事をするので乗り心地や電気代といった機能面は、そのままということになります。
これが当てはまった場合は、撤去・新設
ほとんどの方は、油圧式から油圧式へのリニューアル工事をおすすめしていますが、撤去・新設をおすすめする場合もあります。
- スピートを早くしたい
- 省電力にしたい
- 最新の安全装置を設置したい
- メーカーを変更したい
スピートを早くしたい
油圧式のエレベーターは、通常のロープ式のエレベーターに比べるとスピードが遅い場合がほとんどです。
リニューアル工事の場合は、スピードの変更が法律的に出来ないので、スピードを早くしたいといった場合は、撤去・新設工事が必要となります。
細かい事をいうとピットの深さが足りないとスピードを早くする事が出来ない場合もありますが、スピードを早くしたい場合は一度確認されることをおすすめします。
省電力にしたい
どうしても電気代を安くしたいといった場合も、撤去・新設工事が必要となって来ます。最大で40%程度電気代を削減出来るようなので、費用対効果が得られるのであれば、この場合もおすすめをします。
最新の安全装置を設置したい
エレベーターの最新の安全装置で、
・UCMP(戸開走行保護装置)
・地震時完成運転装置
・耐震対策
といったものがあります。
リニューアル工事時に設置が出来るものもありますが、撤去・新設をしないと設置出来ないものもあります。
最新の安全装置を設置したといった場合も撤去・新設工事が費強になってきます。
メーカーを変更したい
メーカーをどうしても変更したいといった場合もあるかも知れません。
京都エレベータでリニューアル工事をして頂く場合は、京都エレベータ製になります。
その他の場合に、メーカーを変更したいといった場合は撤去・新設が必要となってきます。
特に某大手外国メーカーの場合は、「部品の交換時の金額が高額」とお問い合わせを頂くことも多いので、そのメーカーを変更したいといった場合も撤去・新設が必要となってきます。
以上が油圧式のエレベーターリニューアル工事における解説でした。
実際の工事の際は、それぞれのメリット・デメリットをご理解頂いたうえで、ご検討頂ければと思います。
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