古いエレベーターとかに乗ったりすると、ふと、ロープが切れたらどうなるんだろうって思ったことはないですか?
変な音がしていたり、動きが急なエレベーターとかに乗るなんか怖いと思うこともあるかも知れません。
今回はそんなエレベーターのロープが切れたらどうなるのかについてです。
エレベーターのロープが切れたらどうなるのか
https://youtu.be/iKiHF0XiuZo
ロープの仕組みについて
まずは、ロープをチェックする仕組みについての話をさせて頂きます。
エレベーターの場合、1年に1回法定検査というものが実施されています。
車でいうと車検をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
車の場合、一般の乗用車は新車で3年、それ以降は2年に一回車検を行いますがエレベーターの場合は1年に1回となります。
検査では、メインロープの検査基準というのが、明確に設けられていています。
メインロープは、素線と呼ばれる細いワイヤーが寄り集まって作られていますが、
・使用しているワイヤーの直径を採寸し、新品と比較して90%まで細くなっていないか?
・ワイヤーにサビは無いか?
他に、ワイヤーにサビがあった場合はまた基準が変わるというように、とても厳密な基準が設けられています。
検査上の基準以外にも設計段階でも、
・1本が切れても他の1本でかごを吊ることが出来る必要がある。
といった基準があります。
もしもロープが切れた場合の安全装置について
前項で記載したように、そもそもロープが切れないように、設計段階や検査基準を設けているのですが、万が一切れてしまった場合のことも考えて、安全装置も設置されています。
非常止め装置というのですが、ロープが切れたり、なんらかの原因で、下降する速度が定格以上のスピードになってしまった時に、レールを掴んでかごを停止させる事が出来る装置が設置されています。
・早利き非常止め装置
・次第利き非常止め装置
という2種類の方式があり、主に45m/minまでのスピードの遅いタイプは、早利きのタイプが使われており、45m/min以上のスピードの早いタイプは次第利きってタイプのものが使われています。
スピードが早いエレベーターだと、急に停まったら中の人にかかる衝撃が大きくなるので、徐々にスピードを緩める次第利き。
のタイプが使用されています。
早利き非常止め装置イラスト
次第利き非常止め装置イラスト
この非常止め装置は1852年にE・G・オーチスと言う人物が発表しています。この非常止め装置が発明されるまでのエレベーターはロープが切れてしまうとそのまま落下してしまう仕組みだったので、主に荷物用途として利用されていたようです。非常止め装置が発明されたおかげで、安全性が担保されエレベーターが一般大衆化されていくキッカケとなりました。
実際にロープが切れた事例は?なかの人はどうなったのか?
残念ながらロープが切断したって事故は実際他社で何件か起こっています。
幸い、中に乗っていた人は軽症で済んだようです。
事故報告書を見てみると、動作回数が極端に多かった事が原因で、点検から点検の間に事故がおこってしまったようです。
近年は、大手エレベーターメーカーなどで遠隔監視装置を利用した遠隔点検で、できるだけ点検の間隔をあける傾向にあります。
しかし部品の劣化具合と言うのは本来人が見ないと分からない部分が多くあります。
お客様の中には、人がきちんと見てくれている方が安心と言って頂ける方も多くおられます。
ロープが切れたときにエレベータの中でジャンプしたらどうなるのか?
ロープが切れたときに、エレベータの中でジャンプしたらどうなるのか?といった話を意外と良く冗談で聞かれる事があります。エレベーターの業者としては、非常止装置が働いてくれるから、”そんな事をしなくても大丈夫ですよ”という回答になってしまいますが、YouTubeなどで調べてみると、物理エンジンで落下中にジャンプしたらどうなるかみたいな動画があったりするので、興味がある方は一度確認をして下さい。
以上がエレベーターのロープが切れたらどうなるかという説明でした。
大前提としては、まずきちんとメンテナンスされているエレベーターであれば、ロープが切れるということはまず無いので安心してエレベーターを利用して下さい。過去の事例を見ると、ロープが切れることはゼロでは有りませんが、京都エレベータでは、そういった事が無いように”安全” ”安心” ”きれい” ”快適” なエレベーターを提供出来るようメンテナンスを心がけて行っております。
エレベーターのロープが切れたらどうなるのか(別バージョン)
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