エレベーターの錆びたロープの中身って?

お役立ち情報

お盆を過ぎてもまだまだ蒸し暑い日が続きますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか☀
日射しにやられて体が真っ赤っかになっていませんか?🥵
・・・ということで、こちらの写真をご覧ください👇

さびたロープ

まるで日焼けしたかのように真っ赤っかですよね👀
こちらの写真に写っている3本のロープは、エレベーターのメインロープです。
そしてこの赤い色は、日焼け…ではなく、赤さびなんです!!

メインロープの点検時に、ロープに赤さびが見られたり多数の素線切れを確認すると、そのロープは安全性が低いと判断されます。年1回の法定検査にも引っかかってしまうため、そういった劣化したロープは新しいものに取り換える必要があります。
素線切れについては前回の記事で説明しているので、ぜひご覧ください🤗

今回は、赤さびに注目してみます👀
古くなり劣化したロープがどのような状態になっているのか、実物を使って検証しましょう🔍

【検証】エレベーターの錆びたロープの中身って?

ロープの構造

メインロープには常に張力がかかっており、エレベーターを動かす度に摩擦と繰り返し曲げが発生します。それらに耐えられるように、メインロープは複雑な構成になっています。
ロープはストランドと心綱をより合わせてつくられています。ストランドとは、多数の素線(ワイヤ)をよったロープのことで、それを繊維で作られた心綱に巻き付けています。こうして、一本の頑丈な太いロープがつくられているんですね!🤩

断面図

検証開始

ではさっそく検証開始です。先ほどの写真に写っていた、赤さびで真っ赤になってしまったロープを使って検証していきます🕵️

検証① 曲げたらどうなる?

さびたロープを曲げたらどうなるのでしょうか。

曲げてみる

両手で力いっぱい曲げてみましたが、折れることはありませんでした。
さびてしまっていましたが、エレベーターのメインロープは屈曲回数が多いため、曲げても折れないように非常に丈夫に作られていることがわかりますね!

曲げてみた

検証② 切ったらどうなる?

では次に、さびの具合を見るためにロープを切断してみます。

切断1

表面上に目立ったさびが見られない箇所を切ってみました。

目立ったさびなし1
目立ったさびなし2

ストランドをほどいてみましょう。

ほどく1

本来であれば心綱には油が染み込んでいるのですが、こちらのロープは油が乾ききってしまっています。そのためか、中からのさびが酷いですね💦

さび酷い1
さび酷い2

ロープのストランドも内側の方に赤さびが発生しています。

ストランドさび1
ストランドさび2

続いて表面上さびがよく目立つ箇所を切ってみましょう。
素線の谷部が真っ赤になっているのがわかりますか?
こちらはかなりが赤さび発生しているようです。

目立ったさびあり1
目立ったさびあり2
目立ったさびあり3

こちらも切ってみましょう。

切断2

切る過程で、多量の錆粉が出てきました。

錆粉1

ほどいてみると、さらに中から粉が出てきます。

ほどく2
ほどく3

ストランドを外すごとに多量の粉が出てきます。

錆粉2

表面上目立ったさびが見られなかった部分も内側は赤さびが発生していましたが、表面ですでにさびが見えている状態になるとここまで真っ赤に進行していました。

進行1
進行2

検証結果

赤さびが見られたロープは曲げても折れませんでしたが、切って中身を見てみると内側にさびが多く発生していることがわかりました。表面上にさびが見られなかったロープは、ストランドをほどくと内側に赤さびが発生しており、表面上にさびが見られたロープも、内側は外側以上に赤さびが発生していました。
さびがそこまで見られないからといって油断せず、経年劣化したロープは必ず取り換えるようにしましょう✨


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