エレベーターに乗っていて、こんなものをよく見かけませんか?
実はこれ、「定期検査報告済証」というものなんです。
名前だけ聞いても何が何だかさっぱりですよね…🤷
これが何のためにエレベーター内にあって、どんな役割を果たしているのでしょうか。
今回は、定期検査報告済証について深堀してみましょう👀⛏️
エレベーターに必要な検査
エレベーターには2種類の検査があります。
1つ目が 定期検査 。
1年に1回、有資格者が検査をおこないます。検査の結果を特定行政庁へ報告し、合格ラインをクリアしたエレベーターには「定期検査報告済証」が交付されます。
2つ目が 性能検査 。
こちらも1年に1回の検査で、クレーン協会の方が検査をおこないます。結果を都道府県労働長へ報告し、合格ラインをクリアしたエレベーターには「検査済証」が交付されます。
積載荷重が1㌧以上のエレベーターは定期検査ではなく、こちらの性能検査をおこないます。
定期検査をしないとどうなる?
建築基準法第12条に定められており、違反した場合は100万円以下の罰金が科せられます。
定期検査を受けていない、もしくは検査に通っていないエレベーターはいつ故障してもおかしくない状態であるということです。
そんなエレベーター、誰も乗りたくないですよね😨💦
定期検査の様子
では、実際に定期検査を行う様子をご覧いただきましょう。
全てをお見せすることは難しいので、何点か抜粋してご紹介します✨
ロープの長さ
まずは、エレベーターのピットに入ります。
ピットではエレベーターのロープが伸びていないかを測定していきます。
去年の検査結果と比較し、どれだけ伸びたかを確認します。
停電灯・インターホン
停電灯およびインターホンが停電時に使えるかどうかを確認していきます。
実際の停電時に停電灯が点かない!インターホンが繋がらない!なんてことがないようにしっかり確認します。
機械室
続いて機械室です。
照明は点くか、換気扇は正常に回っているかを確認していきます。
機械室は熱がこもりやすいため、換気扇で温度調節をすることがとても重要です。そのため、一見エレベーターと関係がなさそうに見える換気扇も、定期検査の項目に入っているのです。
制御盤
制御盤の電気が漏れていないか調べていきます。制御盤は人間でいう脳にあたるため、ここがダメになるとエレベーターが動かなくなってしまいます。
必要なところに必要な分だけの電気が流れていることを確認します。
シーブ(綱車)
エレベーターのロープがかかっているシーブ(綱車)の溝が削れて減っていないか確認していきます。エレベーターを使い続けていると、ロープがかかっている溝が摩擦で削れていくのです。
ブレーキパッド
ブレーキパッドの厚さを測ります。
パッドがすり減って薄くなっていると、ブレーキがかかりにくくなります。
ブレーキが利かずエレベーターが止まらなくなってしまったら…恐ろしいですね💦
エレベーターのスピード
エレベーターのスピードも測ります。スピードが異常に出ていないか、確認します。
前回の値と比較して問題がなければクリアです。
塔内のスイッチ
エレベーターがしっかり止まるか、扉が開いたままエレベーターが動かないかなどスイッチを確認します。ドア周りは特に動きが多いため、故障が多いんです。しっかりチェックしていきます🕵️
ロープの太さ
ロープが摩耗してすり減っていないか見ていきます。負担が大きい箇所と少ない箇所をそれぞれ測定し、ロープの太さを確認します。
このようにしてすべての検査を終えると、有効期限が迫っている定期検査報告済証に手続き中のシールを貼ります。これにて検査は完了です!!
報告書の作成、提出
事務所に戻り、記録したデータを基に特定行政庁へ提出する検査報告書を作成します。
去年の結果との変更点を修正し、漏れが無いか確認します。
検査に通ったら…
無事合格ラインを超えると、新しい定期検査報告済証が送られてきます。
この新しいものを古いものと交換すれば、年1回の定期検査が終了します。
まとめ
以上、定期検査から新しい定期検査報告済証発行までの流れがお判りいただけたでしょうか。
エレベーターは機械ものなので、定期的にメンテナンスや検査をして安全を確認する必要があるんです。みなさんが安心してエレベーターに乗るためにも、定期検査は欠かせません。
京都エレベータでは、必ず月々のメンテナンスと定期検査をセットでおこなっていますのでご安心くださいね✨