エレベーターのリニューアル工事をする際に、どうせだったら工事の際に一緒に施工してしまった方が良いオプションってありますか?という質問をよく頂戴します。
今回は、そういったエレベーターのリニューアル工事をする時に、つけておいた方が良いおすすめのオプションや最新のオプションについての解説をさせて頂きます。
最新の安全対策
UCMP(戸開走行保護装置)
UCMP(戸開走行保護装置)とは、”2つの独立したブレーキ”と”通常とは別の独立した制御回路”を持たせて、扉が開いた状態でかごが乗り場から一定距離以上動くとエレベーターを安全の為、停めてしまう装置です。
何らかの原因でブレーキの制動力が無くなってしまた場合でも、もう1つのブレーキでかごを保持出来たり、通常の制御プログラムが故障してしまった場合でも、もう一つの制御回路で安全に停止さす事が出来るもので、ブレーキと制御に対して二重の安全を考えて作られた装置になります。
京都エレベータでは、一般的なロープ式のエレベーターの場合は、設置の有無でそこまで金額が変わらないので、多くのエレベーターに標準で装備をさせて頂いています。
■詳細はUCMP(戸開走行保護装置)のページでもご案内しています。
地震時管制運転装置
地震が発生し、ある一定以上の揺れを感知した際に、エレベーターを最寄り階で止め、かご内の人が降りられるようにするための装置です。
おおよそ震度4程度以上の揺れに対して作動し、最寄り階に到着後エレベーターの扉を開けて中の人が出られるようにします。
バッテリー装置も積んでいるので、地震などで停電して電気が遮断されて、エレベーターが停まってしまった時でも、バッテリーに電力を切り替え最寄り階までエレベーターを動かし、中の人を救出します。
2009年9月に建築基準法が改正され、それ以降に新設するエレベーターに地震時管制運転装置の設置が義務化されました。
リニューアル工事の際に、最新の安全装置の設置を検討されている場合におすすめのオプションです。
地震時管制運転装置の機能としては、停電時自動着床装置と地震感知器を組み合わせたものになります。
- 停電時自動着床装置
- 地震感知器
エレベーターは電気の力で動いているので、電力が遮断されてしまうと、エレベーターは停まってしまいます。
もしかご内に人が乗られている時に、停電が起こってしまうと電気が復旧するかメンテナンス業者が救助に来るまで中の人は外に出ることが出来ません。停電時自動着床装置がついていると、停電などが起こった場合でも、バッテリー装置に電力を自動で切り替えて、エレベーターを最寄階まで動かし中の人を救出します。
地震感知器のみ設置されているエレベーターは、おおよそ震度4程度以上の揺れに対して作動し、最寄り階に到着後エレベーターの扉を開けて中の人が出られるようにします。
地震時管制運転装置と違い、地震などの影響で停電が起こった場合は、そのまま停止してしまいます。
電力が復帰するか、メンテナンス員が到着し手動で救出するまで、中の人は出ることが出来ません。
耐震対策
大地震が発生するとエレベーターにも色々な被害が発生する可能性が考えられます。そんなエレベーターの耐震性能に関する基準も法改正により変わってきております。耐震対策には、制御盤や巻上機の転倒防止や、メインロープの外れ止め等、多岐にわたります。
その時代にあった耐震対策を施工されてはいかがでしょうか?
福祉機能関連のオプション
日本は超高齢社会と言われ、マンションやビルの利用者の方に、足の不自由な方や車椅子を利用している方が今後さらに増えて来ることが予想されます。
そんな足の不自由な方や車椅子の方でもエレベーターを安全に利用しやすいようにする機能が福祉関連の機能になります。
副操作盤の設置
車椅子に座ると目線が低くなってしまったり、かごの中で向きが変えられないので、通常の操作盤は押しづらくなってしまいます。
そこで副操作盤を設置することで、車椅子を利用していてもボタンを押しやすくなります
マルチビームドアセンサー
エレベーターのかご扉に赤外線センサーを設置し、センサーを遮ると扉が反転して開く仕組みになっています。
車椅子やベビーカーなどを利用中に、出入りする際に扉が閉まってきても挟まれることが無くなります。
より幅広い人が安全に利用できるように設置した方が良いおすすめのオプションです。
感染症対策にもなる最新オプション
近年感染症対策として、エレベーターのボタンを触らずに操作が出来るオプションを各社が発表しています。
京都エレベータでも、こういった非接触ボタンやジェスチャー操作出来るボタン・音声操作が出来るもの等、様々なオプションを選んで頂けます。
非接触ボタン
エレベーターのボタンを触れずに、ご希望の階のボタンに指を近づけるだけで、ボタンの入力が可能なので、かご内・乗場のボタンに使用出来ます。
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■メリット
- かご内・乗場両方のボタンに設置可能
- かご内と乗場ボタンを非接触ボタンにする事で操作方法を統一出来る
- 乗場ボタンとして使用する場合、ジェスチャーボタンと比較し使用数量が多くなる
■デメリット
ジェスチャーボタン
乗り場のボタンに利用できます。
このジェスチャーボタンの前で、手のひらを下から上に動かすことで↑のボタンを入力することが出来き、逆に手の平を上から下へ動かすことで↓のボタンの入力が可能となります。
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■メリット
- かご内操作盤 利用不可
- 乗り場操作盤 利用可能
- 乗り場操作盤に採用した場合の使用数量が、非接触ボタンと比べて少なく済む
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■デメリット
- かご内に非接触ボタンを使用し、乗り場をジェスチャーボタンにすると操作の統一制が無く利用者が混乱する可能性も
音声コントロール
音声コマンドでボタン操作ができるもので、APPLEの”siri”やGoogleの”OK Google”と同じように音声でボタン操作が出来るようになります。
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■メリット
- 買い物袋等で手が塞がっているような場合でも、音声入力なので操作が楽々
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■デメリット
- 他に利用者がいた場合、声を発する必要があるので恥ずかしいかも
抗菌フィルム
銅を練り込んだフィルムをボタンの上から貼り付ける事で金の繁殖を抑えます。
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■メリット
- 他のオプションの場合、リニューアル工事をしないと設置出来ないが、どんなエレベーターでも貼り付け可能
- 施工が一番手軽で安価
- 利用者に見た目で対策していることが分かってもらえる
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■デメリット
- フィルムを貼るので、見た目がきれいではない
- ビニールのシートなので破れたり使用感がでる
見た目をキレイにするオプション
エレベーターのリニューアル工事時に、巻上機や操作盤など交換をしても、見た目が変わらなければ、利用者の方からすると新しくなったかどうか分かってもらえないという事があります。
利用者の方にもエレベーターが新しくなったという認識を持ってもらえるように見た目を新しくする内装の工事もおすすめのオプションとなってきます。
家の壁紙を変えるように、エレベーターの内装もシートを貼ることで見た目を変える事が出来るようになります。
かご内の床は、長年使っていると、床タイルが剥がれてきたり、汚れが取れなくなったりします。最近では色々なデザインの床タイルも用意されているので、交換することで見た目の印象が変わります。
といったことでエレベーターの見た目は、変える事ができます。
リニューアル工事に一緒に施工を検討されてはいかがでしょうか。
その他に、”簡単!安い!エレベーターの見た目を簡単に変える方法” で紹介している方法もありますので参考にして頂ければと思います。
以上がエレベーターのリニューアル工事時に施工頂けるオプションの紹介でした。
当社では、ニーズのあるオプションについては、各プランに含んでご提案させて頂いているものもありますし、最新のオプションや福祉関連のオプションに関しては、お客様と話した上で個々のニーズによりご提案をさせて頂いていおります。
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