みなさんは、点検員がエレベーターを点検しているところを見かけたことはありますか?
エレベーターは建築基準法第8条にて安全保持・性能維持の努力義務が定められています。
安心・安全にエレベーターを利用するために、定期的な点検が必要であるということですね。
1~3ヶ月に1回の頻度で点検をしていますが、どのようなことをしていると思いますか?
エレベーターの点検ってなかなかイメージつかないですよね🤔
ということで今回は、点検員の目線から実際に作業する様子を見てみましょう!
エレベーターはマンションやビル、工場など様々な場所に設置されています。
あらかじめ点検ルートを決めておき、自転車、バイク、車などを利用しながら効率よくまわっていきます。一日あたり5件ほどまわるんですよ🚴
点検の様子
点検札を貼る
点検を始める前に、「このエレベーターは点検中です」と周知させる必要があります。
各階の乗場ボタン付近に【点検中】という札を貼っていきます。
なぜ乗場ボタン付近なのかというと、エレベーターを利用しようと思った時に必ず目に入るところだからです。点検札を貼ることは事故を防ぐためにも必要なことです✨エレベーターに乗りながら各階へ札を貼っていくのですが、この時すでに点検は始まっています。走行時や各階扉の開閉時に変な音が鳴っていないか、異常な振動がないかチェックしているのです🕵️
ピットの確認
札を貼り終えたら、1階でエレベーターから降りエレベーターを上の階へ送ります。
その状態で特殊な鍵を使って扉を開け、ピットを覗きます。
ピットとは、エレベーター塔内の一番下、地下に設けた空間のことです。
利用者がエレベーターの隙間に落としてしまった物はここへ落ちていくので、何か落とし物はないか、水が溜まっていないか、エレベーターの走行に異常はないか確認します。
非常ボタンの確認
非常ボタンの確認もおこないます。
ボタンが作動するか、遠隔装置がついている場合は保守会社のコールセンターに繋がるかしっかり確かめます。
コールセンターとエレベーター内でお互いに何を言っているのか聞き取れるように、ノイズがないか音量は適切かチェックします。
塔内の点検
エレベーターのカゴ上に乗ってエレベーターが走行する塔内を点検します。
手動でエレベーターを動かし、順番に各階の扉を点検していきます。
スイッチの接点を磨いたり汚れを取り除いたりとこまめな清掃をおこないます。
レールには油を塗ります。油を塗ることでエレベーターの走行がスムーズになるようにしているのです。
エレベーターを往復させて走行時に支障がないか確かめます。
機械室の点検
機械室では、制御盤や巻上機が正常に動いているかを確認します。
例えば、巻上機のブレーキに油がついていたらブレーキが滑ってしまいとても危険ですよね。
そういった危険がないかもチェックします。
報告書の作成
点検がすべて終わったら報告書を書きます。
お客様にエレベーターの異常や不良部品の有無を報告するため、また、会社に保管して記録を残しておくために作業の終わりには報告書を必ず作成します。
点検札を外す
点検が終了したので点検札を外していきます。
以上が簡単な点検の流れです。
各現場にはノートがあり、点検中に気になったことや次回点検時に必要な連絡事項が書かれています。点検員はそのノートを見ながらエレベーターの点検をおこないます。どのエレベーターも点検項目は同じですが、内容を各エレベーターに合わせ調整をおこなっているのです。
次回は今回とはまた違った点検員の作業風景をご覧いただきましょう👀 次回もお楽しみに🌼