密着!エレベーターの撤去・新設工事

工事

エレベーターを新しくする際は、使える部分だけ残して残りを交換するリニューアル工事という方法と、古いエレベーターを完全に撤去し、新しく新設するという方法があります。
今回は、古いエレベーターの撤去から新設までがどういった流れで行われているのかをまとめています。

各工程を詳しく、記載させて頂いているので、動画と併せて見ていただけると、よりイメージが付きやすいと思います。

撤去新設の工事の流れとしては、おおまかに下記の流れに作業工程になります。

撤去工事

この工程では、既存のエレベーターを全て撤去していきます。

(動画)空っぽに。 密着!普段見れないエレベーター撤去作業

空っぽに。 密着!普段見れないエレベーター撤去作業

・エレベーターのかごのパネルの取り外し
・かごの枠組みの解体
・昇降路内に足場を設置
・各階の乗り場の三方枠・敷居の撤去
・今回のエレベーターは、油圧式というタイプだったので、エレベーターを昇降さすプランジャーの解体
・レールの撤去
・ピットに設置の緩衝機撤去
・最後に機械室内の油圧ユニット・制御盤の撤去

という流れで進んでいきます。

搬入・搬出

既存のエレベーターの撤去で出た廃材の搬出や、
新しいエレベーターで使用する部材の搬入を行います。
それに併せて、各階の扉や枠も取り外されて、作業員が入れないように、仮設扉を設置していきます。

新設工事

撤去し、空になった昇降路内に、新しいエレベーターを新設していきます。
今回は、油圧式から、ルームレスタイプへとエレベーターを新しくしていきます。
仕組みが変わるために、土台となる昇降路を少し工事をする必要がありました。

(動画)この角度で入れるの!? 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol1

この角度で入れるの!? 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol1

ピット内床工事

昇降路のピット部分の深さが足らなかったので、少し掘る必要がありました。
ショベルカーで掘って、コンクリートを打って行きます。

レールベースの取り付け

エレベーターのカゴやカウンター(おもり)のレールを取り付ける土台の部分を設置します。

ピアノ線の設置

据付をしていく上での基準となる、非常に大事な部分です。
ここがズレると全てがズレるので、何度も位置がずれていないかチェックします。

レールブラケットの設置

かごが昇降するレールを取り付ける土台の部分です。
水平になっているかなど慎重に溶接で取り付けをします。

(動画)[必見]狭い隙間に入れる職人技! 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol2

[必見]狭い隙間に入れる職人技! 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol2

レールの取り付け

これはかごが上下するレールになるので、1mmのずれも許されません。
ここも、かなり細かく精密な作業が必要なパートとなります。
レールは、かご側とカウンター(おもり)側にあるので全て取り付けをしていきます。

頂部繋車の設置

エレベーターのワイヤーが通る滑車の部分です。
かなり重そうなものを持ち上げているので、気を使う部分です。

各階乗り場敷居の設置

扉が開閉する下面の敷居です。敷居の溝に沿って扉が開閉します。

各階三方枠の設置

扉の枠の部分です。
最終は動かないように、溶接で完全に固定していきます。

ドアヘッダーの取り付け

扉の開閉を機械的に行う部品です。
先程取り付けた三方枠の上に取り付けをしていきます。
こちらも動かない様に、溶接で完全に固定をします。

(動画)激重注意! 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol3

激重注意! 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol3

巻上機の設置

エレベーターのかごを昇降する巻上機を設置します。
今回のエレベーターは、ルームレスタイプなので、ピットに設置します。
ピットというのは、昇降路の一番下の部分になります。

かごのフレーム(枠組み)の設置

普段乗っているエレベーターのかごの土台となるフレームです。

かごのフレームだけでも設置されると、少しエレベーターっぽくなってきたなという印象です。

ワイヤーの設置

かごやカウンター(おもり)のフレームが設置出来たので、それらを繋ぐワイヤーを這わして行きます。
通常の機械室タイプのエレベーターだと、かごとカウンター(おもり)は”つるべ式”で繋がっているだけなので単純ですが、ルームレスタイプはワイヤーが、上に行って下に行って、かごの下に行ってとローピングも複雑になっていきます。
今回のエレベーターは積載重量もあるので、これを6本通していきます。

(動画)何につかうの!? 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol4

何につかうの!? 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol4

カウンターのおもり設置

カウンターの枠におもりを設置していきます。
こちらのおもりの板が持てそうな感じに見えなくもないですが、1枚56kgと相当重たいです。

かごの床設置

かごのフレーム(枠組み)に床を設置していきます。
大きいエレベーターなので、部品単体で見ると”なんだこれ”となってしまいますが、無事設置されるとエレベーターらしくなってきますね

かごの敷居設置

乗り場に敷居を設置していましたが、かご側にも敷居を設置していきます。
こちらはかごの扉が開閉時に扉が通る部分になります。

試運転

ほぼ全てのパーツが設置出来たので試運転をしていきます。
設置した制御盤と巻上機の配線を繋いで行きます。

動画で見て頂けると分かりますが、巻き上げ機の配線もかなり太いものが使用されていて、取り回しが大変そうです。

配線も問題なく繋げると仮設で運転できるようになります。

乗り場扉の設置

設置しドアヘッダーに乗り場側の扉を設置していきます。
扉は1枚ではないので、扉がすれ違うさいに擦れずスムーズに開閉出来るように調整を行います。

(動画)ついに完成! 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol5

ついに完成! 密着!普段見れないエレベーター新設工事 Vol5

かご側ドアヘッダー設置

乗り場側と同じ様にかごにも、ドアのヘッダーを設置していきます。
扉の開閉する仕組みとしては、カーテンをイメージして頂くとわかりやすいと思います。
カーテンレールが、”ドアヘッダー”
カーテンが、”扉”
という感じでエレベーターの扉の開閉の機構は作られています。

かごパネルの設置

かごの枠に沿ってパネルを設置します。
側面と天井を設置して、かごの扉も設置をすると、普段目に見える部分は完成です。

各種配線

各種の配線や、安全スイッチ・センサーなどを取り付けて行きます。
かごと制御盤をつなぐテールコードなど、配線だけでもかなりの数があります。

調整

実際に低速で動かしながら、スイッチやセンサーの入力がきちんと行われているか、タイミングがおかしくないかなどの全ての動作チェックを行います。

社内検査

京都エレベータでは、工事部門だけのチェックだけではなく、メンテナンスの責任者が、完成時に検査を行います。
年1回行われる法定検査の基準に沿って”問題がないか”というだけでなく、メンテナンスの目から見て、調整のミスがないかまで細かいチェックを行っています。

完了検査

今回のような新設工事の場合は、行政が立ち会って完了検査を行います。
実際の停電時や地震時にもきちんと定められたように動作するか、ブレーキの制動に関して問題がないかなどもチェックを行います。

完成

完了検査でOKがでると、ついに完成です。
工事でついた細かい汚れなどがないかチェックをして、お客様へ引き渡しをします!

普段なかな見れない映像なので、機械好きの方はぜひ!

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