機械ものは永遠に使えるものではありません。手入れをしていても、やがて限界がきてしまうものです🥲 エレベーターも機械ものなので、更新時期があります。
エレベーターの法定対応年数は17年、計画耐用年数は25年とされています。
大手製造メーカーは、およそ25年を経過した機種の部品供給を終了しています。
建物が50~60年使えるとすれば、その折り返し地点でエレベーターを更新する必要があるということですね。
現在、ビルやマンションに設置されている乗用エレベーターは「ロープ式」もしくは「油圧式」がほとんどです。「油圧式」は数十年前から大手メーカーが次々と製造を辞め、新しくエレベーターを設置する場合は「ロープ式」が主流になっています。
では古くなったエレベーターが「油圧式」だった場合、全て撤去して「ロープ式」を新設しなければならないのか、というとそうではありません🙅
リニューアル工事をすれば「油圧式」でもこれまでと変わらず同じように利用できるのです✨
今回は、油圧式エレベーターのリニューアル工事に密着して、どのような工事がおこなわれているのか見てみましょう!🔍👀
撤去
作動油
油圧式はタンクに溜められている油を使ってエレベーターを押し上げて上昇させ、油をタンクに戻すことで下降させます。まずはその油を抜くところから始めます。
エレベーターを最下階で固定し、すべての油をタンクに送り込みます。
油を抜いていきます。
タンクに戻らず配管に残った油も抜き出します。
制御盤
油を抜いている間に、制御盤を解体していきます。
制御盤から各機器に配線が引かれているので、それをすべて取り外します。
配線を外せたら、制御盤本体を機械室の外へ運び出していきます。
油圧ユニット
ユニットはこのままでは重たくて運び出せないので、解体して搬出していきます。
まずは油を抜き取ったタンクを撤去します。
続いてタンクの下にあったモーターを運び出していきます。サイズはそこまで大きくないですが、とにかく重たいんです😣💦
最後に残った鉄骨部分を撤去します。
搬入
油圧ユニット
機械室がさっぱり綺麗になったら、新しい機材を搬入します。
まずは油圧ユニットです。
撤去の時解体して運びましたが、新しいものはすでに組立てられているのでチェーンブロックで吊り上げて運び入れていきます。
油圧ユニットを固定し、タンクからエレベーター塔内のプランジャー(油の圧力によってエレベーターを昇降させるもの)への配管を取り付けます。
制御盤
油圧ユニットが取り付けられたら、制御盤を運び入れます。
油圧ユニットと制御盤を繋ぐ
油圧ユニットと制御盤を接続します。
仮設運転ができるようになったところで、前編は終了です。
次回の後編は、完成までお届けします!ぜひお楽しみに🤗